様々な語り部のかたち

先日、茨城大学教育学部付属小学校の5年生120名が石巻に来てくれました。この小学校は、東日本大震災の地震で被災し教室が一時使用できず、来てくれた子ども達は3年生の授業を体育館で受けていたとのこと。 先生方は、当団体が通常行っている語り部プログラムではなく、小さなグループで地元の方のお話をじっくり聞けるような内容を希望されました。当団体としては初めての試みでしたが、地域の方々にご協力いただき5つのグループを作る事ができました。

語り部の高須賀さんのグループでは、高須賀さんが震災の翌日、歩いて自宅に帰った2.5kmの道のりを、写真とお話を聞きながら一緒に歩きました。話を聞きながらでも90分ほどで歩くことができる距離を、震災翌日にもきた津波や瓦礫のため8時間もかかったことを聞くと、子ども達は心底驚いた表情をしていました。

 

次に、語り部の萬代さんのグループでは、前半、部屋の中で萬代さんの体験を聞き、その後、外に出て大津波から萬代さんが逃げた道を歩きながら日和山へ向かいました。石巻でも特に被害の大きかった南浜・門脇地区を一望しながら、震災直後の様子を話す萬代さんの言葉を、子ども達は熱心に耳を傾けていました。

 

「がんばろう!石巻」の看板を作られた黒澤さんのグループでは、前半、部の中で写真や映像とともに黒澤さんの体験を真剣に子ども達は聞いていました。また、震災後の厳しい状況のなか元気をくれた“ど根性ひまわり”の4代目となる種の袋詰めも行いました。後半は看板のある門脇地区へ。今では草が生い茂る場所を歩きながら、以前の街並みを説明する黒澤さんを囲み、子ども達は被災地の空気を肌で感じていたようでした。

 

残り2つのグループについては、写真にてご紹介いたします。

仮設住宅のグループでは、仮設住宅の自治会長さんだけでなく多くの住民の方々にもご協力いただきました。

 

語り部の佐藤さんのグループでは、震災当時、小学校の教頭先生をされていた佐藤さんと一緒に、被災をしたその小学校がある地区を歩いて回りました。

実はこのプログラム、当初の日程は台風の影響でキャンセルとなり2週間ずれて行われました。日程は延びましたが先生からは、子ども達がより石巻の事について調べる時間になり、かえってよかったのかもしれないと伺うことが出来ました。 また約1ヶ月後、子どもたちの可愛い感想が書かれた冊子が担当してくださった地元の方1人、1人に届きました。

今回の経験を通し、通常行っている語り部プログラムと並行しながら、色々な「語り継ぐ」方法を模索して行くことの必要性を感じることができました。寒くなり来石者が少なくなるこの時期に、何ができるのか考えていきたいと思っています。