カテゴリー:市民が伝える震災

中越視察報告

10月30・31日 かどのわき町内会、震災まで門脇地区住民の方々16名様と1泊2日で中越メモリアル回廊を視察しました。
かどのわき町内会は、震災遺構の門脇小学校のある地区、震災を機に地元を離れる人が多く、人口減少と高齢化という課題に直面しています。

被災地で、震災遺構や公園整備が進んでいるかどのわき町内会。今回の視察で被災地の周遊を促し、各地域の被災状況や特徴を生かした取り組みを学び、一泊二日で視察にて市民主体の震災伝承体制を学びました。

被害の大きかった長岡市(山古志村も合併)と小地谷市には、4つの施設と3つのメモリアルパークが整備され、この施設と公園を「中越メモリアル回廊」として結び、公益社団法人中越防災安全機構が管理・運営をしています。

「まだああいう施設はないが、追いついていく、そういう石巻と信じている」「郷土愛、ふるさと大事にしていた。私たちも考えないといけない」と、各施設視察後の移動中のバス車内より積極的な意見が多数出ました

曇っていましたが、山古志の棚田を車中より

【川口きずな館】
・中越大震災の震源地、旧川口町の復興の過程で生まれた「人と人との絆」を伝承する施設です。旧町営ゴルフ場のレストハウスを再利用し、カフェスペースでは、被災地の商品を案内していました。

・参加者の感想
→地元と住民が一緒に団結して、大きな力として、声を上げていけたらと思います。
→地域の特色、伝統等を生かし住民の連携強化による活性化を図る。
→被災したゴルフ場跡地を活用し、「NPO法人くらしサポート越後川口」が担当している。メモリアル事業では「復興のあゆみ」の年表の展示、コミュニティーバスの運行等の地域づくりを進めていることを知った
→全住民参加のまちづくり、雪下ろしツアー等地域の特色、伝統を活かし住民の連携強化を学んだ
→危機感の共有、故郷の思い、過疎化・高齢化が加速する中、外部との交流拡大やつながり、外部支援者と集落における絆を大切にし、長期にわたる活動が参考になった。

【やまこし復興交流館おらたる】
・中越大震災で発生した土砂ダムにより河道閉塞がおこり、全村避難した山古志地区。おらたるとは「私たち(おら)の場所(たる)」という意味です。山古志出身の若いスタッフが中越地震当時の様子から現在の山古志までを案内しています。

地元の若いスタッフによる説明をうける

行政、地域それぞれの役割や関わり方の意見交換会

・参加者の感想
→自ら町づくり地域づくりに取り組む団結力が感じられた。
→被災地の人口減少の中1人1人が自分の今出来ることを見つけている。
→地形模型シアターが歴史から始まりから震災・復興まであらすじをリアルに表現していた。
→全住民を会員として発足したグローバーバスの取り組みが参考になった
 (現在門脇地区は、宮城交通バスの山下回りの1日3便のみ)
→展示スペースが広く、見学順路も上手に構成されている。被害者の証言が大きく表現されているにもインパクトを与える
→当時小学3年生だったスタッフが館内の案内担当し、若い世代が震災伝承や地域づくりに仕事として関わっており、自分達の地区でも若い世代の参加・育成が課題である。
【長岡震災アーカイブセンターきおくみらい】

・「ガイダンスシアター」では被災者の体験談、復興に向けた取り組みを約15分の映像で紹介している。

参加者の感想
→石巻市内の審査遺構、震災情報館等間の連携は可能であり、連携したほうがメリットが大きいと思います。
→石巻は特に津波に関することは、しっかりと伝承すべきだと思います。
→航空写真「震災マップ」を施設の床に設置。タブレット貸出により利用者それぞれが、震災の状況を把握学習できるのが良かった。
→「人と人の繋がりが無ければ復興は無い」「守るべきはふるさと」との係員の説明に納得し、強い意識に感銘した。
→地域住民の体験談、復興にかける想いは、石巻も同じと思いました。

【木籠(こごも)メモリアルパーク】

・記憶の公園と郷見庵
 山古志東竹沢にて、大きな地滑りが発生し、芋川の河道閉塞で上流の木籠集落が水没してしまいました。中越地震発生時25世帯あった集落は11世帯19人に減ってしまいましたが交流施設「郷見庵」は集落の人々と地域外の来訪者との交流が進めています。

水没した当時の家屋

郷見庵では、木籠ふるさと会様との意見交換が行われました。木籠ふるさと会は、集落の住民、外部支援者で構成されており、集落の行事や山野菜の販売など地域の振興の為に活動されています。

木籠ふるさと会メンバーさんの新潟名物ののっぺい汁、地元でとれた山菜や野菜の煮物とお漬物のおもてなしを受け、活発な意見交換が行われました。
かどのわき町内会のメンバーさんが大漁唄い込み(斎太郎節)を歌って交流があり、和やかな時間を過ごした。木籠ふるさと会に入会された方々もおり、今後も交流を続けていこうと深い絆も生まれました。

持参された手作りのお土産とふるさと会のメンバーさんとの交流

・参加者の感想
→自分達の力でできることをし、ボランティアさんとの交流の中で自分達も元気になり、他県の人達との交流を深めたい
→水没した家屋を震災遺構として残し、保存して伝える事、近くに交流施設があり、他地域の人との交流拠点として、地域の活性化に繋がっている。
→門脇小を遺構として残すことに決まったことを受けて、他地域の人と交流が深まるように、震災を伝える展示、憩いの場所、石巻のおみやげ品の売店を作ってもらいたい。
→「ふるさと会」のような地域に根差した活動拠点の構築が参考になった。
→被災地域から離れた人たちにも地元の取り組みがわかるようになればと思います。

【おじや震災ミュージアム そなえ館】
・防災人材育成や災害から身を守るための備えをまなぶ「防災学習研修施設」です。

防災学習体験プログラムに参加した県別の人数や、語り部プログラムを教えていただき、オリジナル防災グッズの販売展示を見学しました。

・参加者の感想
→震災後、他の市町村との地域防災協定締結数が増えたことや、中越の市町村の災害時必要とする備蓄品が増えた事を学んだ。
→体感型地震動シュミレーションを体験しました。地震の疑似体験が出来る施設で、防災学習を支援していた。
→石巻市は防災訓練後、各町内会等に自主防災の実施を呼びかけているが、講師等は市消防署に依頼しているのが実情である。震災の風化を防止するためにも、小中学生の研修施設も大切と思われる。

【妙見メモリアルパーク】
・土砂の崩壊により、走行中の車両4台が巻き込まれ、2人の尊い命が失われた場所です。当時2歳だった男の子が92時間ぶりに救出された場所で、中越大震災被災の象徴として「祈りの公園」となっています。

視察を終えたかどのわき町内会様方々より

■祈念公園や遺構のある地域がどのようなことに取組んでいけばよいか
・語り部活動など住民が深く関わっていきたい
・地域の人達が外から人達との交流の場や、楽しいイベントが出来る場を作ること
・祈念公園は1回だけでなく何回も訪れるように工夫しなければならない

■今回の視察について
・ふるさとは自分たちで守るという気概の必要性を強く感じた
・中越メモリアル回廊として一泊二日で回ることは外からの人を呼び込むことはとても大事だし、素晴らしい事だと感じました。石巻にもメモリアル回廊を作り、市内の観光や食事場所とも一緒に出来ると賑やかになると思います
・自然災害はどこでもいつでも起こる事を考え、その対策は必ず取り組まなければならない。

ふるさと会様はじめ訪れた各施設のご担当者から、これまでで最も活発な意見交換・交流ができたとのお言葉をいただきました。かどのわき町内会の皆さまの震災遺構のあるまちづくりに対する思いを感じられました。

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